アートディレクター西野純子のブログです。
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2016年 年頭に思うこと
あけましておめでとうございます。

2016年、
どんな年にしたいか、考えてみました。

ポリシーは変えませんが
新しい会社の仕組みを作っていきたいと思っています。
その中で、社内をはじめ、業界の意識と環境の向上を
目指したいと思います。

私たちの仕事は専門職ではありますが
専門分野に特化し過ぎることは
これからの世の中においては難しいと思っています。
あらゆる分野の知識と思考をミックスして
バランスのとれたご提案をしていくことが
多様化している社会のニーズに対応できると感じています。

そのために2つのことを考えています。

1つ目は
専門のデザインだけを追求するのではなく
あえて他の分野や、異業種のことを
「能動的に学ぶ」ということが重要だと思います。
デザイン手法といった小手先のことではなく、
お題に対するリサーチ、マーケティングの勉強などに力を入れ
さらにもっと、クリエイティブ全般についての
ご提案の幅と奥行きを、深く追求し考えていきたいと思っています。

2つ目は
組織力、集団の力の強化です。
昨年世間で騒がれた業界の問題は
業界の悪しき部分のひとつでもある
組織力の未熟による部分も大きいと考えています。
デザイナーは個人主義的な人が多く
どうしても個々でやりたい志向が強くなってしまいますが
よほど本人の経験値や異業種の知識が豊富でない限り
幅がでませんし浅いものになってしまいます。
多様性のあるニーズにお応えするためにも
組織ならではの力をもっと発揮すべきだと思います。
ただ人数がいれば良いのではなく、
「管理」「ディレクション」「多角的な総合力」の強化が
必要だと考えています。

「個々の集合体」の組織
ではなく
さらに総合的な「集団力」のある組織を目指したいです。

個々の集合体は 1+1+1=3 にしかなりませんが
集団力のある組織は 1+1+1=10 になることもあります。

私たちの仕事は、
お客様の多様なニーズにお応えし、結果を出すことで
初めて成立するものだと考えています。
それが成立しないと存続できませんし、
必要とされなくなります。

そのためにも
経済社会の一端を担っているんだ、という意識を
持たないといけません。

そのことを深く考えながら
努力を怠らず、ひとつひとつを丁寧に対応し、
新たな2016年をさらなる飛躍の年にしたいと思います。

本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。




2015年を振り返って
2015年もあっという間に最後の日を迎えることになりました。
今年は、どんな年だったでしょうか。
振り返ってみたいと思います。

今年は大きな出来事としてあげられるのは
4月末に入院して手術を受けたことです。
無事手術も成功し、術後も良好で完全復帰できました。
とにかく、今、元気に仕事ができることが有り難く
周囲の支えてくださっている方々に
深く感謝しております。

それが私の中での今年の最大の出来事です。

良くも悪くも、そんな経験をしながらも
復帰した後も相変わらず
社内で誰よりも長時間労働で、
週のほとんど帰宅できないような働き方です。
スタッフには徹夜させなかったり
休出もさせなかったり負担をかけないように、という想いで
できるだけ自分でやろうと必死にやってきましたが、
最近、それも空回りのように感じて虚しい気持ちになっています。
感謝されないどころか、それで身体壊している状況ですから。

来年は、その部分を改善し変えていきたいと考えています。

あと、今年のもう一つ大きな出来事として
「オリンピックのエンブレム問題」をきっかけに
いろいろな意味でデザイン業界への世間の注目が
近年で一番高まった年になったのでは、と思います。

この出来事は、いろんな意見があると思いますが
以前の記事(コチラ)でも書きましたが
私は、弁解の余地がなく、業界の悪しき部分が露呈したと
考えています。

経済社会の一端を担っている意識を持って
襟をただし、社会人としての当たり前のモラルの部分を
重視していきたいと思います。

業界的にも、自分の中においても
崩れたものをもう一度組み直していかないといけないと痛感しました。
とにかく、ひとつひとつをしっかり
努力を怠らず、妥協せずにやっていくしかありません。
今年の大きな2つの出来事は、
決して喜ばしいこととは言えませんでしたが
一方で、今後の課題を改めて明示することになり、
深く考えさせてもらえるきっかけとなったと思っています。

いつもご用命いただいているお客様を始め、
新たなご縁のあったお客様、
支えてくださっている方々、
スタッフの皆への感謝の気持ちを忘れず
来年もがんばりたいと思います。

本当に一年、ありがとうございました。

みなさま、どうかよいお年をお迎えくださいませ。



2014年の年末に
今年も一年が早かったですが、振り返ってみました。
私自身が、この業界20周年という節目の年でもあり、
いろいろな変化も感じた一年でもありました。

まず、人が大きく動きました。卒業していった人、
そしてあらたに新卒が2人、中途が2人入社しました。
それによって、組織も大きく変化していっています。
まだまだ私が考える理想的な組織ではなく課題も多いのですが、
それは来年以降の目標にしていきたいと思います。

それと、新しいお客様との出会いがありました。
今までのお客様とも10年を超える長いお仕事も複数あったりして
本当に本当に有り難いことです。

・長く継続しているお仕事。
・年々お任せいただく案件が増えていくお仕事。
・久しぶりにお声掛けいただいたお仕事。
・あらたな機会をいただいたお仕事。

いずれも、大切なお客様のお仕事です。
i:stがなんらかお客様や社会のお役にたてること、が
とてもうれしく思います。

お仕事をいただく度に
常に考えていることがあります。
私たちの仕事はデザインやクリエイティブの制作がメインですが
作っているのは目に見えるモノだけでなく
その背景のある膨大な人と人の繋がりや信頼、
消費者との関係性や顧客満足、
ビジネス上での結果や成果、といった
「目に見えないモノ」だったりします。

むしろ、そちらの方が圧倒的に多いと考えています。
そのために、ただ制作したり、デザインしたりすることでは不完全で
もっとコミュニケーションとか、人の心や社会の声を読んだりすることに
力を注ぎたいと常々思っています。

最近の若いデザイナーの中には
自分の好きなキレイなデザインをすることが
仕事の目的の大半になっていたり
優先順位を高くしている人も多いようですが
私はそれだけでは「社会や経済活動の一端を担う」という役割を
果たせないと感じていますし、対価をいただけないと感じています。

時代はめまぐるしく変化していて、
一昔前のようにデザインそのものが良いとか悪いとかで勝負できず、
(というより、良いデザインであることは当たり前で最低ライン)
その「目に見えないモノ」をどのくらい生み出せるか、という能力に
対価が生じていると考えています。
それができないと業界の中で淘汰されてしまうという危機感があります。
ところが年々、デザイナーを目指す人がその意識から遠い人が多く
「自分らしい、好きなデザイン(企画)ができるところで仕事したい」という
世の中のニーズとは全く逆行しているような意識のギャップを感じています。

そういうことを、きちんと後世のクリエイターに教えていき
この業界が「過去の人たちの栄光だけが語られる」みたいなことに
ならないように、後に続く人たちのために
責任のある仕事をしていきたいと考えています。
そのために思い描いていいる構想などいろいろあり、
試みを始めています。

今年一年を振り返り、
支えてくださった多くの皆様へ深く感謝しつつ
ひとつひとつ社会貢献につなげていくために、
「目に見えるモノ」だけなく「目に見えないモノ」作りにこだわって
来年も進化を目指して精進してまいります。

一年、心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

どうかみなさま良いお年をお迎えくださいませ。


デザイン業界に20年
今繁忙期なのでバタバタしていますが
11/7で、私がこの業界に転身(転職)して丸20年になりました。

あっという間に、その記念日も過ぎてしまい。。。。
今、ハッと気付きました。

20年というと長い感じもしますが
この業界、とても奥深くて、
まだまだ未熟で勉強の毎日です。
ひとつの目標が達成できると、
次々に新たな課題が出てきます。

・・・と、私が思っているのに
数年の経験値で「もう一通りできるようになった」なんて
若い人が話しているのを聞くと、
「自分で勝手に区切りをつけているよね」
と、心の中で思ってしまいます。

そんなに甘くないし、そんなに簡単じゃないよ・・・この世界。

そもそも「何ができてないのかもわからない」ということなのかも。
仕方が無いかもしれません。
ちょっと足かけただけだと、奥深いものが見えてきませんから。
浅くて狭い範囲で、一通り得た感じに錯覚するのだと思います。

どっぷり深く挑むからこそ、奥深さが見えてくるのです。
その奥深さを知ったところから、仕事のおもしろさについて
ようやく理解できるようになります。

20年やってきて、決して楽じゃなかったし
正直、何百回も心が折れそうになった(折れた)ことはあったけど、
はっきり言えるのは「デザイナーを辞めよう」と思ったことは
一度も無いということ。
それは、常に達成したい目標があるのと、
多くの周囲の方々に支えられていて、
奇跡的に自分のやっていることが成立している、ということを
痛感しているからだと思います。

そもそも、私がこの業界に転身できたのも、
未経験+遠回りしすぎた私を、前の会社で
首の皮一枚で採用していただいたところから始まっています。
(当時の社長以外、他の面接官4人の方は採用反対だったそうです・・)
そのことを考えるだけでも、あり得ないくらいの奇跡で、
感謝してもしきれないと思っています。
おそろしいくらい、私は無謀な転身をしたことを
その後、身にしみて知ることになります。。。
商学部出身、ファイナンス系の前職、デザイン専門学校1年半学んだだけ。
それで、1994年11月7日に電撃入社したのです。

これまで、
デザイン学校、前の会社、お客様、同業の知人、
自分の会社のスタッフ、外注の方々・・・
いろんな方々に、すごくお世話になって、すごく迷惑かけて、
その方々に感謝の気持ちで、ご恩返ししていくという意味でも
まだまだこの仕事を辞められないのです。

20年は一つの通過点でしかなく、
これからも頑張ってまいります。
みなさま、どうかよろしくお願いいたします。



昭和の歴史三部作
この度、劇団四季様の60周年記念公演
「昭和の歴史三部作」のポスター・看板・チラシなどの
デザインを担当させていただきました。

三部作とは、昭和の「戦争の時代」を題材に描かれた
「南十字星」「異国の丘」「李香蘭」の3つの公演のことで
劇団四季様のオリジナルミュージカルです。
三部作と呼ばれていますが、3公演が連続で上演されることはなく
実は今回初めて連続上演される貴重な公演でもあります。

四季劇場 秋 の看板です。

今回の制作に携わる前に、三部作のDVDと台本を拝見し
いずれの公演も衝撃が走ると同時に、
仕事という枠を超えて深く考えさせられました。

南十字星」は、南方を題材に、戦後「BC級戦犯」として
身に覚えのない罪に問われて、不条理にも絞首刑判決を受けた
若き日本人学生の悲劇の物語。

異国の丘」は、戦後ソ連に抑留され、極寒シベリアで過酷な重労働の末、
祖国に戻ることなく命を落とした日本人の一人でもある
貴公子(日本の首相の息子)の物語。

李香蘭」は、中国人の歌姫「李香」として、
戦後の中国での弾劾裁判で死刑宣告を受けた日本人「山口淑子」の
半生を描いたもの。

戦後70年近く経ってしまい、戦争のことを知らない世代も増えた今日、
逆に言うと、まだ1世紀も経っていない過去に
このような悲劇の時代があったことを残念ながら忘れかけています。
決して忘れてはいけない過去を、
戦争経験者が語り伝えていくのも難しくなっていくでしょうが
このようにミュージカルとしてずっと上演し続けていく
劇団四季様の強い使命感を感じました。
公演を通して「戦争」という事実があったことを
後世に伝え継いでいくことを切に望みます。

歴史としての実相を知る、ということも大切ですが、
私にとっては、今、いかに平和な時代に生きているのかと
痛感させられ、これからの自分の生き方を問うきっかけになりました。
いろいろと普段悩んでいることも小さなことだと思いました。
それすらもできずに不条理に命絶たれてしまった人々や
戦争の時代に翻弄された人々のことを思えば
どんなに悩んでいようとも、私たちには
将来どのようにも転換できるチャンスもあるわけですし。
うまくいかないことを世の中や環境のせいにすることも
ただの「甘え」でしかないように感じました。

私が小学校の2年生くらいのときに
市の教育委員会主催で「はだしのゲン」の実写映画を
市民会館で観たときの記憶が今も鮮烈に頭に残っています。
社内でスタッフ(自分以外はほとんど20代)に聞いたら
そういう戦争映画を子供の時に観ていないと言っていました。
私の場合、小学校低学年でしたので相当な衝撃はありましたが、
戦争がいかに恐ろしいものなのか、と認識し
今の平和が当たり前だと思ってはいけない、と
子供ながらに感じていました。

戦争を題材にした映画や演劇は
子供というより大人向けのものかと思ってしまいますが
過去の事実を伏せる理由はないと思います。
むしろ過去を知り、「今を生きること」をどう考えるかが
大切なのでは、と思います。

私も含め、特に戦争を知らない世代の方には
遠くない過去にこのような激動の時代があったことを
知る必要があると思います。
歴史の教科書だけでは得ることができないものが
ストーリーや美しい歌や舞台演出などで表現されて、
心の奥深くに刻まれる素晴らしい公演を
多くの皆様にご覧いただきたいと思います。


こちらの「南十字星」のポスターは
四季劇場 夏 に掲出されていました。


南十字星:5/19〜6/1 四季劇場秋
 詳しくは →コチラ

異国の丘:6/20〜7/13 四季劇場秋
 詳しくは →コチラ

李香蘭:9月上演予定 四季劇場秋
 詳しくは →コチラ


12月も残りわずか
あっという間に年の瀬に。
今年はずいぶんスピードが早い一年でした。
良いこともありましたが、反省も多い一年でした。

期の初めに「「元」にかえる」という目標でやってきましたが
上期が終わり、果たしてどうだったでしょうか。

なかなか忙しさに追われてしまって、
この言葉どおりできなかったことも多かったかと思います。
「初心を忘れてはいけない」「原点回帰」って
一度は自分が通り過ぎてきた道だったにもかかわらず
いざやろうとすると難しいことも痛感しました。

人間は、一度慣れてしまう環境から脱することは難しいです。
ましてや楽な方や緩い方に流れがちで、そこに行ってしまうと
それが一般的には「非常識」なことでも、
なぜか知らずのうちに自分の中で「常識」になってしまい
それを元に戻そうとすることが、なかなかできません。

今、「元」に戻らないといけない具体的な内容を
社員のみんなに伝えたいと思いましたが、
ブログを見返していて、自分が前に書いていたことが
今必要な内容そのものだったと改めて気づきました。
やっぱり、最低限守らないといけないことは
いつでも同じことなのです。

なので1年半前に2010年の4月に書いたブログの
5つの訓示を再度掲載したいと思います。

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社訓とまではいかないけど、
みんなに守ってほしい最低限の5つのこと。

(1)時間と労力を大事に

(2)考えながら行動する

(3)向上心を常に持ち続ける

(4)コスト意識を持つ

(5)この仕事(クリエイティブ)を通じて社会に貢献する

意外とシンプルなことですが
ひとつでも欠けると会社は成長しないと思っています。
安定した運営をしていくために、スタッフみんなに守ってほしいことです。

本当はもっといろんなことが経営上必要なんですが、
スタッフみんなには、この5つを伝えています。

(1)時間と労力を大事に
時間というものを意識する。
時間を厳守するという基本的なことから、
無駄に作業時間をかけないということも。
同時に労力も限りのあるものだから、
疲弊してしまっては、良いクリエイティブもできません。

(2)考えながら行動する
行き当たりばったりに仕事しない。
行動する前に計画をたてて、常に1、2歩先の手を考えながら動くこと。
上司やお客様が考えてくれるのではなく「自分が考える」という意識。
経験年数に関わらず、全行動に責任を持たなくてはいけません。

(3)向上心を常に持ち続ける
やみくもに「がんばっている」だけではダメで
プロセスだけでなく「結果」を出す。それを繰り返す。
短期的、長期的目標を持ちつつ継続的にステップアップしていかないと
モチベーションも保てないし、成長もしません。
去年とやってることが変わらないなー、と思ったら危機感が必要です。

(4)コスト意識を持つ
クリエイターが見失いがちなことですが、ビジネスでは基本。
全てのことはコストがかかっているという意識を持つこと。
お客様からの評価=対価。
儲けようとするのではなく、良い仕事をすれば対価がついてくる。
自己満足のクリエイティブは、
必ずしも良いクリエイティブではないと思います。

(5)この仕事(クリエイティブ)を通じて社会に貢献する
会社、または今やっている仕事というのは、社会に貢献することで
初めてその存在意義を認められると考えています。
社会にとって有益で必要とされれば、
その会社は存続していけると思うのです。






デザイナーの使命
今回の「東日本大震災」で被災をされたみなさまには
心からお見舞いを申し上げます。
また犠牲になられた方々に謹んでご冥福をお祈りいたします。

震災に関する様々なニュースに心を痛めつつ、
この1週間、自分の無力さに愕然としていました。
それでも、少しでも何かできることを、と思いながら
義援金などよる支援活動や、節電のため空調や照明やラジオを消したり、
音もなく暗くても社内の雰囲気だけは暗くならないようにとか、、、
微力ながらやっております。

若いスタッフもそうだと思うのですが、
私自身がメンタルで打撃を受けているので
正直デザインをする上で、
気持ちをコントロールするのも難しいと思うこともあります。
今まで「人々が幸せになるデザインをめざす」ことを
デザイナーとして、自分自身のポリシーとして
頑張ってきたのですが・・・。
この数日、夜中一人で社内に残りながら
デザイン作業していると、ふと「こんなデザインでいいのか?」と
「こんなデザインでみんなが幸せを感じるのか?」と自問自答し、
泣きたくなる気持ちにかられることがありました。

でも、
どんな状況でも、デザイナーとしての使命を果たすべく
プロ意識で仕事していかないといけないですし、
志半ばで夢や仕事や活動を断念しなければならなかった方々の分まで
頑張らないといけないと思いました。

一日も早い復旧復興を心から願いつつ
これからの日本の将来のために、小さくても今できることを
ひとつひとつ精一杯やっていきたいと思います。