アートディレクター西野純子のブログです。
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3Dプリンターがやってきた!
うちの会社も、ついに3Dプリンターを導入することになりました。
私が出張していた金曜に届いたらしく
(amazonの納品の早さには驚き)
スタッフが開封して机に置いてくれました。
かなり大きいのでびっくり。

3d+.jpg

こちら、da Vinci1.0という機種で
パーソナルユースの商品でかなりの低価格ですが、
うちにとって初めての3Dプリンターなので
仮に失敗してもいいかな、と思って
お試しという意味でも購入してみました。

61RP5o0-aML._AA.jpg

もともと、弊社は2Dのグラフィックが主体で
いろいろ制作活動してきましたが、
枠にとらわれないことにチャレンジしたいと思っています。

私自身、子供のころから立体や図形が好きで
10数年前には、ポリゴン系の3Dソフトを使って
作図していた時期もありました。
そういう造型に対する好奇心がくすぐられる気持ちになります。

仕事上でのお話の中で、とあるきっかけがあったのと、
今年3月に発売になった低価格の3Dプリンターがあることを知り
導入を即決してしまいました・・・

とりあえず、3Dソフトを使えるようになろうと
これから始めます。。
がんばります。


好きなこと、やりたいことを仕事にできるか
「好きなこと、やりたいこと」(そもそも、それがあれば、、、ですが)を
仕事にできるのでしょうか?

そんなことを、まともに考えたら
「本当に自分の好きなことを仕事にすることはできない」と
考えていますし、
19年間デザインの仕事してきて
いまだかつて、一度たりとも「自分の好きなこと」を
デザインしたことはありません。

自由に好きに自分らしくデザインした経験は「0%」。
そもそもそんなことを考えたこともありません。
なぜなら、「仕事」だからです。

デザイナーになりたい人に多く見られるのは
「好きなデザインをしたい」という人。
だったら、「お金をいただく仕事」じゃなくて
「自腹を切るアート活動」をしたら?と、強く勧めます。

私たちはビジネス社会の一端を担う仕事をしているのです。
その自覚がなければ、どんなデザイン業界の「仕事」もできないと思います。
そういう意味では、
「広告」「パッケージ」「販促」「web」「エディトリアル」など
分野問わず、共通の認識だと思っていますし、
私も、もともとは「エディトリアル」をバイトで経験し、
「広告」の会社につとめ、今自分の会社を起業し「パッケージ」や「販促」などを
中心に仕事していますが、手がけるデザイン分野に変遷がありながらも
どの分野もビジネスである以上、
自分の好きなデザインしたという思いはありません。

全く違ったデザイン分野で、しかも
食品飲料、日用品、化粧品、雑貨、流通、外食、通信、金融、交通、住宅、
電化製品、テレビ、劇団、娯楽、出版・・・などなど、
業界自体も多く経験を積んできましたが、共通でやりがいを感じていて
(だから辞めないで19年やっているわけだし)
大事なのは「自分の好きなデザインをできるか」ではなく
「達成感をどこに求めるか」なのでは、
と思っています。
ここを間違うと、この仕事はめまぐるしくて過酷で
締切もタイトで制約なども多いですから、
どんな分野のデザインをしても
決して長続きできないデザイナーになってしまいます。

「デザイナー」である前に「社会人」であれ、と強く思います。

「社会人」、
つまりビジネス社会の一端を担う、というのは

仕事を依頼される
  ↓
それに応えるために制作活動する
  ↓
顧客やエンドユーザーに満足していただく(対価をいただく)
  ↓
社会に貢献することにつなげる
  ↓
達成感を得る

ということを、繰り返し継続し
役割を果たしていくことだと思います。

ここをきちんと理解できると、仕事は楽しいです。

「自分の好きなデザインをする」=「達成感」
ではなく
「顧客やユーザーに満足してもらう」=「達成感」

ということを考えられるようにならないと
ちっとも楽しくないと思います。

さらに、それを深めていくと
「顧客やユーザーに満足してもらう」=「自分の好きなこと」=「達成感」
にもなっていきます。

一生懸命やって、お客様に応えていくことを真摯に続けていると、
「ありがとう」「お願いして良かった」と感謝されたり
「デザインしてもらった商品が売れ行きいいですよ」と
言われたりして、
「またお願いしたい」とリピートで依頼してくれたりします。
それはすごく嬉しいことです。

大きな意味でそれが「自分の好きなこと、やりたいこと」になったら
この仕事での充実感は、とても大きなものになっていくのです。

そんなことを、
これからデザイナーを目指す方に、考えてもらえたら、と
思っています。